2022.12.05

ホウ素添加有無による導電性の違い─YouTubeに動画を投稿しました

今月より、弊社YouTubeチャンネルにて、ダイヤモンドの特性を紹介する動画シリーズを公開して行きます。

加えて、動画内で解説しきれなかった部分を補足説明する、コラム連載を同時投稿いたします。
第一回となる今回のテーマは「ホウ素添加の有無によるダイヤモンドの導電性の違い」。
(ここでも解説しています→
https://a.storyblok.com/f/155099/x/959e8fa71f/dia-pamph_221021.pdf
ダイヤモンドは、その生成過程によって、天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドの2種類に分けられます。

天然ダイヤモンドはその名の通り、自然界で生成され、発掘されたものです。

合成ダイヤモンドは、各種手法により人工的に生成されたものです。

合成手法各種の機構やその歴史も非常に面白いのですが、今回は割愛いたします。
自然界に存在するダイヤモンドのほとんどは、絶縁性です。

これは、ダイヤモンドを構成する炭素原子の構造によるものです。
dia
ダイヤモンドは、炭素原子(C)同士が共有結合で構成されています。

この共有結合が強力・安定で、電子のやり取りが出来ないため、ダイヤモンドは優れた絶縁体になっています。
一方、合成ダイヤモンドは、生成時にダイヤモンド合成の材料となる炭素源に微量のホウ素(B)を添加(ドープ、Dope)することで、本来の高い絶縁性から一転して、電気を流せるようになります。
BDD2.png
ホウ素は、炭素と周期表で隣り合い、炭素と比較して最外殻の電子が1つ少ない原子です。
従って、ダイヤモンドにホウ素を添加し、ホウ素原子が炭素原子に置き換わると、ダイヤモンドを構成している共有結合に必要な電子が1つ足りなくなります。この電子の穴を正孔と呼びます。

正孔に電子が引き寄せられ、移動することで元々電子がいた場所に新たに正孔が出来ます。こうして原子間を超えて繰り返される電子の移動により、電気が流れます。
これが、ボロンドープドダイヤモンド(Boron Doped Diamond, BDD)が電気を通す仕組みです。

 
DIAMでは、各種抵抗や用途に応じたダイヤモンドの成膜を行っております。

試作から量産、成膜関連機器の販売まで承っておりますので、是非ご相談下さい。
Diam Contact